「地方移住に興味はあるけど、仕事は見つかる?」
「知り合いがいない場所での生活は不安…」
そんなお悩みはありませんか?
妙高はねうま複業協同組合ではその不安を払拭し、妙高市で生き生きと働いている卒業生がいます。
今回お話を聞いたのは、2024年12月に組合を卒業した魚地優輝(うおちゆうき)さん。
2024年4月から組合で働き、現在は妙高市でサウナ付き一棟貸し宿を運営しています。
組合での仕事の様子や移住生活についてリアルなお話を聞かせていただきました。

━━妙高はねうま複業協同組合に入ったきっかけを教えてください
単刀直入に言うと、組合の事務局長の紹介でした。
実は約3年前に妙高で友人とサウナ付きの一棟貸し宿をやっていたことがあったんです。
そのときに、友人が事務局長と知り合っていて。
その後、いろいろ事情があってその宿は閉めることになったのですが、いつかまた妙高で宿をやりたいと考えていたんですよ。
妙高で働きながら物件を探せたらなと思っていたとき、友人がその事務局長を紹介してくれたんです。
━━組合で働いた中で印象に残っていること、大変だったことはなんですか?
米ファーム斐太(農業)、赤倉観光ホテル(宿泊業)、山﨑建設(建設業)の3つの事業所で働きました。
はじめに入らせてもらったのは米ファームさん。農業は全くやったことなかったので一度やってみたかったんです。
僕が入った時期は4〜6月の農繁期。機械の免許を持っていないので、僕ができる作業は単純なものが多かったのですが、とにかく暑い日が続いてとても大変でした。
忙しい時期でスポットで働くパートさんも多かったため、いろいろなお話ができてストレスはなかったです。

印象的な出来事だったのが、70歳くらいのおじいちゃんと仲良くなって頻繁にご飯に行くようになったことです。
実は一昨日も行きました(笑)しょっちゅう電話がかかってきて山菜とかくれたり、ご飯に誘ってくれたりします。嬉しいですよね。
これまで年配の方とここまで深く関わることはなかったので、すごく貴重で楽しい経験でした。
組合を辞めた後も、スポットでたまに手伝いに行っています。
次に行ったのが、赤倉観光ホテルです。いろいろあるお仕事の中でもレストランのウェイティングスタッフ(注1)をやらせていただきました。
元々ウェイティングスタッフの経験があったのと、働きやすい環境だったので、仕事にはすぐに慣れました。

同年代のスタッフも多く、仲良くなれたのが嬉しかったですね。当時も今も飲みに行ったりしてます。
普通に移住すると、職場によっては同年代と出会わないこともあるので、貴重な職場でした。
最後に行った山﨑建設さんは、大工作業をさせてもらう機会も多かったですし、古民家の掃除や網戸交換などの管理業務も体験させていただきました。
この経験は自分が宿を立ち上げる上ですごく役立ちました。
さらに大工さんのリノベーション作業を見せてもらい「全てを新しくするのではなく最低限のものを残す」という考え方は、自身の宿作りに活かせました。

全体を通して、自分のやってみたい職場に行けたのはよかったです。
3ヶ月ごとに事業所が変わることで人間関係も変わりますが、どの事業所も人が多かったため、僕の場合はすぐに色々な人との関わりができ、仲良くなることができました。
3事業所全部、今でも関わりのある人ばかりです。スポットで手伝いにも行きますし、飲み行ったりする友達もできました。
(注1)お客様に料理や飲み物を提供する接客係
━━組合を通して「自分に合った働き方」は見えてきましたか
今は一棟貸し宿の運営を主にしながら、各事業所にスポットで手伝いに行ったり、デザインの仕事をしたり、いろいろ組み合わせながら生きています。
僕自身も事業所でずっとは働けないけどたまにだったら手伝えるし収入になる、各事業者さんからも必要なときだけスポットで入ってくれるから頼みやすいと言ってもらえて、お互いにいい関係になれているのかなと思います。
今この宿でウェルカム米として米ファームさんのお米を使わせてもらってて。そういった関わり方ができるのも、組合での経験があったからですね。

僕は元々「妙高市で宿をやりたい」という明確な目的があったので、働き方に迷っていたわけではありません。
ただ、宿一本で生きていく働き方ではなく「地域のさまざまな仕事や人との繋がりと自分のできることを掛け合わせながら働く」という新しい視点を得ることができました。
結果収入の安定面からも生活の豊かさの面からも、充実した日々を過ごせているなと感じます。
━━移住生活でよかったこと、大変だったことはなんですか?
よかったことは、組合のおかげで妙高での人との繋がりが深く、広くできたこと。普通に移住していたらこんなにすぐにいろんな人との関係は築けなかったと思います。地域に溶け込む上でもすごく重要でした。

大変だったことはやっぱり冬の雪かきや宿の管理ですかね。特に一人で運営していたため、除雪作業は苦労しました。
僕実は車が2WDで。雪がたくさん降ると行動範囲がかなり制限されたのも大変でした。
暖房費も高く、ヒーターを1日使うと1万円近くかかることもあって、中には部屋が寒すぎて途中で帰ってしまう外国人客もいるくらいでした。
━━今後の展望はありますか?
今後は、2拠点生活を実現したいと考えています。具体的には、妙高に現在ある宿に加え、地元の千葉(いすみ市)でもう一つ宿を作りたいです。
いすみ市はサーフィンが有名な場所なので、サーファー向けの宿を検討しています。

また、デザインの仕事(レーザー刻印など)を本業に近づけたいと思っています。
宿泊業とデザイン業は相性がよく、宿の閑散期にデザインの仕事ができるため、バランスの取れた働き方ができるかなと。
━━これから移住先や仕事を探す方へメッセージをお願いします
まずは一度現地に足を運んで、どんな場所か見てみることが大事だと思います。
妙高はねうま複業協同組合は、その点においてとてもよい機会を提供してくれます。
その3ヶ月という期間の中で、様々な事業所を回り、自分に合った場所や仕事を見つけることができるのは貴重な経験。

移住の目的は人それぞれだと思いますが、その目的を達成するための手段として、妙高はねうま複業協同組合はすごくよかったなと心から思います。